2010年3月28日日曜日

門出


















巣鴨には、春がきていました。

一緒に弁理士を目指している大学院の後輩が、修士課程を卒業して、この春、大手メーカに就職。

しかも、知財部ということで、この厳しい時代にも、自分の希望どおりの就職が決められたのではと思います。

嬉しいです、よね。


先日、九州の大御所弁理士に、お会いしました。
弁理士会でも、実務的にもよく名前を聞く先生で、私自身も、緊張しながらの飲み会。

「今は、30代に、仕事があがられないんだよね。」

僕が、「これからの若い弁理士って、どうですか?」という質問をして、
最初の先生のセリフでした。

実際、リーマン・ショック以来、業界の仕事量は壊滅的に減少。

だけど、もう、それから1年以上経っているわけだし。

「全く、ないよ。あげられるものが。」

もう、何も答えが無いのでしょう。


僕の大学の後輩は、どうなるんだろう。


間にいる、僕らの責任かもしれない。

誰かが、この大御所弁理士に、新しい弁理士の未来像を提案しないと、弁理士の未来は変えられない。


特許事務所の従来からのビジネスモデルは、明細書作成による売上を根本としており、大御所の先生も、それ以外は、現状では、ビジネスとして成立しないと思われていると思う。

現状では、大きな特許事務所では、実際、そうなのかもしれない。

明細書作成は、法律文章の作成であり、かつ、技術にも精通していなくてはならず、非常に専門的な仕事だと思う。

職人が生き残るという意味で、明細書を作成する弁理士の社会的な役割は残ると思う。だけど、それだけだと、なんだか、国宝級の壺の職人とか、勲章とかもらう職人みたいな感じかと思います。


弁理士が、ビジネスの中心にいたい、というのが僕の考えです。


少子化+中国の驚異により、日本が、これからの30年間で戦えるのは、知財しかないと思うんです。他に、なにがあるか、僕には検討がつきません。


日本人のクリエイティブさを、今まで以上に創出して、国際的にも権利をきっちり守っていきましょうよ。


今、まさに、企業に密接した知財の創出と管理を、大企業はもちろん中小企業まで、ばっちり行って、企業の活性化と武装を図りましょうよ。

その旗振りを、弁理士が担うべきなのでは?

他に誰がやるのでしょう?

一年後には、「30代に仕事があげられない」ではなく、

「今、明細書作成をしていた30代の弁理士がペンを置いて、経営者とともに、企業の中心に働き始めました!」って、なりたいですよね。


この春、就職する大学の後輩を始め、知財に夢を持って働こうと思っている人達に、恥ずかしくないように、自分も小さな一歩を踏み出さなくては。

2010年3月22日月曜日

春の嵐


いやー、昨日は、すごい風でしたね。

写真は、ベランダのプランタですが、、

朝、見ると、アップ サイドダウンに・・。

かわいそうすぎる。。
















ちなみに、嵐前の元気な状態が、2枚目の写真です。


もう一度、植え直したけど、元気になるかなー。


この嵐のため、予定していた荒川マラソン大会も中止になりました。

せっかく、準備して?、朝起きたのにー。

驚いたのは、7時の朝のニュースにて、
字幕で、中止のテロップが、きちんと出たことです。
テレビも、きちんとローカルな情報、流せているんですね。

あーでも、せっかく、はりきっていたのに。。

しかも、たぶん、中止にしても、もう強風は、通り過ぎているから、
もう問題ないんですよね。

というわけで、気分を変えて、代々木公園のドッグランへ。

菜の花が良い時期でした。

2010年3月19日金曜日

商標権の売買
















讃岐うどん

青森

森伊蔵・・・

となりのトトロ・・・

中国で、全く関係ない人が商標権をとられているとのこと。

なぜ彼らは、これらの商標権を取得するのでしょうか?

鹿児島の森伊蔵酒造さんが、中国に進出する際に、この商標を高値で買取ってもらうためのようです。

ちなみに、日本では、このような商標は、鹿児島の森伊蔵酒造さんしか、権利がとれないことになっています。

なぜなら、このように、森伊蔵さんでない人が、森伊蔵が有名であることを利用することは、不正の目的があるとして、出願しても登録ができなくなっているんです。

つまり、この中国でのビジネスのような商標権の売買は、日本ではできないので、中国で有名な企業が日本に進出することを見込んで、日本で先に商標権を取得することはできません。

日本って、真面目な国ですよね。

いやいや、規制するだけじゃなくて、しっかり、海外での権利も守っていきましょうよ。

例えば、欧州では、もっと、積極的に自国の産業のブランドを保護しているんです。

今、シャンパンって表記、商品や商標にみなくなりましたよね。
例えば、山梨で作った「甲州シャンパン」って、日本で商標登録できないんです。

これは、世界的な条約で決められていて、ぶどう酒の産地名は、その産地で実際に生産されたぶどう酒でないと、商用登録できないようにされているんです。

欧州の人たちは、自分たちの「シャンパン」という地名とブランドを守るために、世界中で、この商標をとれないように、条約に入れ込んだのです。

ぶどう酒だけに、自分たちの血を守った??

なぜ、知財立国である日本は、国が率先して、森伊蔵、クレヨンしんちゃん、讃岐うどん、
を、守ろうとしないのか疑問です。

これだけ、日本中で問題になっていますよね。

今日のニュースで、
提言「『イノベーション立国』に向けた今後の知財政策・制度のあり方」を発表
ということで、これから、考え始めるみたいです。

知財って、「イノベーション」とか「知財政策」とか、格好良いキーワードを上げていれば、なにか、すごいこと、やっているって、思われるところありますよね。

讃岐うどんや、森伊蔵。

日本が誇る、世界的に有名になるべき産業、企業だと思います。
彼らの足元を守らなくて、日本の知財政策が語れるのでしょうか?

2010年3月16日火曜日

特許がもらえるアイデア















特許がもらえるアイデアって、なんでしょうか?

誰かが一生懸命、研究したり、温めたりして、産み出したアイデアであれば、いいような気がしますよね。

それでは、一生懸命って、客観的には、どう計るのでしょう?

それは、アイデアが新規なことなんです。
新規である発明アイデアは、客観的な創作性がある、といわれ、特許がとれます。

これが、特許に必要な、新規性、の要件なんです。

じゃあ、日本で知られていたら、新規でなくなるのか?
それとも、世界のどこかで知られていたら、新規でなくなるのか?

新規の範囲って、どこまでなのか?

世界のどこかで知られていたら、新規でなくなる、というのが、
一番、納得がいきやすいですよね。

それでは、火星で知られていたら??

実は、この新規の範囲は、国の政策で決められるのです。

中国では、最近まで、中国内で知られていなければ、新規性が担保できました。

つまり、外国で知られていても、中国で知られていなければ、特許が取れるのです。


えー特許権って、政策的に、生き死にするものなの?


そうなんです。

特許権って、国の政策とともに、生き死にするものなのです。

日本や先進国の多くは、世界公知が基準です。


宇宙世紀になれば、世界公知基準ではなく、宇宙公知基準になるかもしれませんね?

2010年3月11日木曜日

平成生まれの若者

















えっ、きみ、20歳なんだ。

先日、床屋に行って、顔を剃ってもらっているときでした。
床屋の彼は、平成元年生まれ。

今日は、店長が早く帰ったので、彼はお店を任され、僕に気を許したのか、いつもより軽快に話をしてきた。

彼とは、床屋で出会ってから、2年ぐらいの付き合い。
広島市内では知らない人はいないという床屋の息子。
いわば、サラブレッドですが、高校を出て、自分のことを誰も知らない東京に来て腕を磨きたいという気持ちで、弟子入りしたそうだ。

床屋になること以外の人生は、全く考えたことがないんですよね。

僕の年って、今、だいたい、みんな大学2年生なんですけど、
自分が夜、散髪の練習をしに、お店に行くとき、
隣のカラオケボックスで、大学生ぐらいの人たちが、楽しそうにしていると、おれって、、って思っちゃうんですよ。



そもそも床屋さんというのは、一見、謙虚だけど、振る舞いが綺麗で、軽快だ。

ボーっとしていて、曖昧な私のような人種とは、正反対。

客との会話も大変だ。
特に関心のない、マラソンの話で、僕のような、3kmしか走らないのに、そんな自分をほめて、という客にも、そつなく、相槌をうたなくてはいけない。

そんな、気遣いができて、そつない彼が、平成生まれだったとは。



T = 自分がすごす人生の時間 - 生涯働いている時間 で、幸せを計れるなら、


多くの人が、Tが小さいほうがよい、と思うかもしれない。

そうすると、彼の人生は、損だ、と思うと思う。


だけど、彼の目は、輝いている。


来月から、同い年の専門学校卒の新人が、この床屋に入ってくるらしい。


同い年なんですけど、全然、仕事に対する考え方が違うんですよね。

平成生まれの若者も、捨てたもんじゃない。
っていうか、俺も、負けていられないな。

2010年3月8日月曜日

知財サービスの目的

















知財部の仕事の目的は、何なのでしょうか?

結構、見失います。

例えば、会社の特許出願のうち、特許になる確率が、80%以上である場合、社長からは賞賛されますよね。

でも、それって、知財部の成果ですかね?

IT企業の特許の場合は、進歩性がない発明として拒絶される確率が、かなり高いのが現状です。

そうなると、会社の開発レベルが高いから、特許になるわけで、
特許率の高さは、知財の成果では、必ずしもないようです。




じゃあ、その特許によって、お金を得ることができたら?

例えば、某大手企業は、知財で30憶円、稼ぐそうです。

これは、知財の成果だと思います。

もちろん、開発部の発明センスも重要です。

しかし、それ以上に、あるアイデアに対して、将来性を見込んで、投資し、育てて、独占権を得る。
そして、その技術を多くの他人に利用してもらう。

この仕事は、会社の中で、社長か、知財しか、できません。

そうすると、社会的なニーズが有る技術をいち早く、
会社が独占する権利にする、のが、知財の目的ですかね。

ただ、この目的は、パテントトロールの目的とも類似する気がしまして、

会社による、一般社会への貢献がぬけているように思います。


これを修正すると、

「世界中の誰も気がついていないが、社会的なニーズが有る技術をいち早く、会社が独占する権利にする」

まだ、なんか、資本主義よりな気がするので、これを修正すると、

「世界中の誰も気がついていないが、自社のみが気がついていて、社会的なニーズが有る技術を見出しまたは創出し、いち早く、会社の権利にする」

が、今のところ、よいかもしれません。

これからも、引き続いて、考えていきたいと思います。

2010年3月7日日曜日

影響を与える勇気















「人様に迷惑をかけては、いけません!」
って、子供の頃、いわれませんでした?

これだけは、やぶっちゃいけない、みたいな気持ちが子供なりにあって、良くも悪くも、守れてきたような気がします。

もちろん、相手が明らかに、迷惑だと思うような、嫌なことは、やらない、ということでよいのですが、
「迷惑」って、どこまでの程度なんだろ?と、今でも迷います。

自分のやっていることが、正当だと自信がなければ、それが迷惑行為になる可能性がありますよね。

その場合に、人に迷惑かけるかもしれないから、やめよう、と思ったら、スローガンは守れるけど、何もその人と始まらないですよね。

例えば、結婚とか、仕事のパートナー選びとか。
だって、結婚も仕事のパートナー選びも、絶対、いつかは、相手に迷惑かけますから。。

自分が他人に影響を与えるのが、怖いときってある、というべきなのかな。

自分が他人に影響を与える、勇気がもてるか? 

その答えは、自分のやっていることが正当だと自信を持つことにより、僕が君を、まきこむのは、「君にとって幸せだよ!」と本気で言えることなのかもしれません。
その責任とともに、相手と人生を送るのかな。

「人様に迷惑をかけては、いけません!」のスローガンは、もう卒業で、

「相手に「いい迷惑」を与えられる人間になる」が、これからの自分に必要かも。

(写真は、2005年のモンサンミッシェルです)

2010年3月4日木曜日

東京マラソン、いつか、出れるの?


















いや、絶対むりです。

会社の方に、東京マラソン一緒に出よう!とお誘いを受けての一言。


あ、いや、今年の成人の日に、谷川真理さんのマラソン大会に出場しました。

いや、違うんです。

3kmの部ですから。。

ちょっと、偉そうに、マラソン大会出たんですー(鼻息)!

なんて自慢してしまったら、
4月に10kmの部、5月に13kmの部を予約してくれました。。

とりあえず、5月までに15kmをこなそう。

写真は、埼玉県でして、海ではありません。

荒川沿いのジョギングコースは、意外に、自然の宝庫です。

2010年3月3日水曜日

オープンソースライセンスの効力




















GPLだけは、勘弁してもらえます?

プログラマの方々の労力を大きく減らしてくれるオープンソースの存在は、非常にありがたい。
しかし、GPL系の、いわゆる、コピーレフトといわれるライセンスは、
改変したプログラムや、リンクをはったプログラムを公開することが条件になってしまう。

そうなると、会社で作成した、商用のプログラムを、公開するわけにはいかない。
なぜなら、脆弱性の問題や、会社の著作物である資産を公共の財産としてしまうからだ。

すみません、このオープンソースは、GPL系のライセンスなんで、使用は見送ってもらえますか?
しぶしぶ、お願いするしかない。。

オープンライセンスの条項を破ることは、互いの契約についてですので、まずは、民事訴訟上の問題です。つまり、著作権による刑事的な問題の前段階になります。

そもそも、オープンライセンスは、ライセンス条項を守らないでも、日本国では、損害賠償請求が発生しないという論点もあるようです。

日本は、米国とは異なり損害賠償に懲罰的な規定がないため、
無料の物の作成者には、その利用者が契約違反で利益を得ていても、損害は発生しえないとういことでしょう。

えー、それなら、プログラマに、GPLでも、使っていいよって、言っていいの?


あ、いや、差止請求は、ありみたいです。

つまり、お金を払わなくてもよいですが、使用ができなくなってしまうようです。

やっぱり、ライセンスを守ることは大事ですね。