2011年7月23日土曜日

空気を読むとは

4時間00分

福岡から宮崎の往復は、飛行機を使いません。高速バスを使います。あ、いや、僕と、お金が無い学生だけかも??宮崎駅から博多駅までの時間が、だいたい4時間なんです。ちょっと、時間がかかりすぎですが・・なんと、バス代が片道2000円!なんです。これって、常磐線の上野から水戸ぐらいの交通費?

バスは、だいたい、2人席を1人で使用できますので、でかい自分でも、ゆったり座れます。

しかし、先日は、大変なことに・・。

僕は、身長が188cmありまして、小木なのに、大木だよね~。という会話を、初対面の人とは、だいたいかわします・・。もちろん、足が長い・・とは言わないですが、若干、全体のサイズが大きめ(腰回りとか、靴の大きさとか)でして・・。よく、ガタイの大きなアメリカ人(僕のイメージは、ソフトクリームを両手で食べているボブさん)が、飛行機のエコノミーシートで、ありえないぐらい、狭くひっそり座って、映画見てたりしますよね・・。僕は、若干、ボブと同じように、バスの座席では、足を真っ直ぐ伸ばすことはできません。

そんな自分が、いつものように乗り込んだ高速バス。

なんと、僕の席の前の方が、既に、窓側と通路側の両方の座席シートをリクライニング状態にだいぶ・・傾けて、お一人でお座りになっています。窓側と通路側・・両方ですよ・・。座らない方も・・。


あちゃーと思いながら、自分の座席に座ると・・・、当然・・・

せまっ・・。せまっ・・。ちょーせまっ・・。


まずい、4時間この状態ですか!うわーきつい・・。


座席の後ろにある、飲み物フォルダに、液体が満杯のアイスコーヒーを入れると、傾きの角度があまりにきつくて、溢れそうになる・・・それぐらいのリクライニング状態です・・。あわてて、ちょっとコーヒーを飲む・・。なんか、ちがうような・・。

僕の足は、当然、収納できませんから、通路側に座って、はみ出ています。

すると、通路を歩く人は、当然、僕の足が邪魔になる・・・。そこで、窓側シート前方に足を出すも・・あまりの狭さに、前の座席の上部に僕の顔がくっつきそうに・・・。

勘弁して~。。

バスは発車しました。

僕は、考えます。

この人に、なんて言えばよいか。

すみません、ちょっと狭いので、リクライニングを少し、戻してもらえますか?

これなら、あたりさわりがないから、いけるはず。でも、最悪のケースも想定しておこう、おじさんだから、逆ギレされるかもしれないし。

「そんなこと言っても、リクライニングする権利があるんだから(怒)!」

あーそれ、いわれそー。

やっぱ、“権利”くるよなー。

でも、いいたくないからーー、空気読んで、シート戻さないかな・・。鼻息あてよっかなー。


と思っていると、おじさんが、僕の前のシート、通路側だけ、シートのリクライニングを戻してくれた。

僕は、その瞬間、なんとなく、「すみません」という言葉が出た。



僕らが他人と時間や場所や会話を共有するときに、空気読んでよーとか思いますよね。

これは、空気を読んでほしい人が勝手に解釈していることも多々あります。例えば、残業をして、残業代を請求するときに、経営者としては、仕事しないで、しゃべっていたんだから、残業代請求しないって、空気読んでよー、とか思うと思うのですが、一方で、従業員は、僕らは、その時間、拘束されていたんだから、残業代を請求する権利がある!と言う場合です。

結局、権利という話になると、民事的、刑事的に問題になって、共有すべき相手同士が対決状態になってしまいます。この場合は、共有すべき相手同士で、生み出されるものは、相手に対する、怒り、で、それ以外は、何も無いかもしれません。

一方、共有する相手同士に信頼がある場合は、相手の気持を考慮して行動するため、優しさや配慮が相手に伝わります。その瞬間、相手に対する信頼も作られます。そうすると、その後の行動で、また、空気読んでないと誤解されるような行動があったときに、あの人はそんな人じゃないから、その行動が何かの誤解である、と、人に対する疑いではなく、行動が誤解だ、と判断してくれる場合があります。

例えば、ある会社と仕事をしていて、思いがけない請求書がその会社から送られてきたときに、「え、これって、相手に悪意があるのかも?」と思って、事務員が先方に連絡ができずにいる。このとき、先方のボスを信じている経営者が「誤解だと思う。ちょっと電話してみるよ」と言って、すぐに電話して、解決する・・。これは、日頃のその会社と経営者の信頼関係の成果でしょう。

信じることをすぐに忘れるのは、簡単です。よっぽどの親友でないと、あの人は、そんなことしないよ・・と言い切れないですよね。僕も本当に、すぐ、疑ってしまいます。でも、それでは、寂しい・・。

身近な人と、“あうん”で呼吸するために、相手との信頼を継続する方法として、頻繁に、相手の思いや本音を確認することが大事かもしれません。家庭や職場で、食事を一緒にして、笑いや、想いを共有していれば、信頼を継続することができますし、パソコンの時代ですから、現在は、メールやブログ、ツイッター等で、お互いの日々の思いも共有できます。

そして、自分に身近な人と想いを共有して信頼関係があれば、社会に対しても、信頼をもって、接することができるように思います。つまり、偶然席の前に座っている知らない人でも、「少し、リクライニングを起こしてもらえますか?」と仮に相手に言っても、このひとは逆ギレするような人じゃない、と思える、相手への信頼感です。うーん、もちろん、これは、ハズレがあるかもしれませんが・・。

でも、ハズレたとしても、それを信じて、つまり、相手を信じて、要求を言った自分は、社会を信頼していったと思っていいはずです、だから、自分を褒めてあげてもよいのかな、なんて。

(写真は、宮崎と羽田間の飛行機に乗る前のアトムです。俺らや航空会社を信頼しているから、カゴの中でもおとなしくしていた?)