2013年10月27日日曜日

社会の知を向上するためには・・

パラレルな知性 鷲田清一先生 著

「専門的知性」と「市民的知性」を繋げる鍵はどこにあるのか、問いかける本です。

僕も、ここのところ、自分の考えがなんで一般の人に伝わらないのかなあ、と悩んでいました。

そこで、自分ができるのは、相手の馴染みの言葉で表現することを試みる、ということでした。

たとえば、「イノベーション」という言葉は、大学生、デザイナ、エンジニア、マネージャー、経営者、マーケター、大学の教員・・で、全く違う意味に理解されますね。そこで、相手の発想にあうように、「商業的な成功」(マーケテイングの関係者に)とか「業界を変える革新的な技術」(エンジニアむけ))などと(すみません、例がうまくない・・)、彼らの用語に合わせるように、努力をしています・・。

写真の本書は、縦割りになりすぎた(所謂)専門家が、市民の感覚で横(専門外)を見ていない(特に、原発事故での専門家の対応など)ので、社会全体の知性が向上しないことを警告しています。

門家がリスクを犯して(つまり、自分があまり馴染みがない知識分野に突入して)、他の専門家と交流することで、社会全体の知性が向上する、ということを、専門家が自覚する必要があるのでは、ということを本書を通じて感じました。僕らがもっと市民の知を高める努力をしないで、誰がそれをしてくれるのか?

若干、耳が痛いですが、お薦め本です。