2014年12月22日月曜日

強制結合をし続ける情熱 (大牟田まちなかシリコンバレー)

大牟田の銀座商店街 (松坂屋の跡地が駐車場に・・)
僕らは、何かを認識するときに、対象が、ある箱に入るかどうかで認識します。

すみません、わかりにくいですね。

例えば、“みかん”であれば、黄色くて、冬に買う、甘い食べ物を、みかんの画像イメージと結びつけて、認識していると思います。つまり、みかんを認識するための箱を用意して、対象と照合して判断するわけです。

例えば、ポンカンや日向夏をみたときに、その認識の箱に入らないから、これは、みかんではない、と判断できるわけです。

ただ、ときには、この箱を壊して考えることが重要になります。

そうです。この認識の箱を飛び越すことが、いわゆる、天才的なひらめき、だったりするのです。

自分の頭の中の箱を少し壊して、他の箱とくっつけることで、新しいアイデアが浮かんできます。これを、自分の師匠によると、強制結合というそうです。

上記の写真は、大牟田駅近くの商店街です。最近、有明高専の先生を中心に大牟田まちなかシリコンバレーという集まりがあり、起業家の育成と、商店街の活性化を目指されています。私もどういういきさつか、お仲間に入れていただきました。

大牟田という街は、かつて、三池炭鉱の街として大いに栄えたところで、カルタや押し花など、様々な文化が育まれました。しかし、現在では、商店街もシャッター街となり、松坂屋デパートの跡地も、駐車場になっています。

どうやって、このような商店街を活性化させるのか?

諦める? いやいや、新しいアイデアを産み出す強制結合をしてみましょう。

かつて、自分が宮崎に来て、地域活性化といった時に、僕は、その土地の情報を集めれば、地域の活性化のヒントになると思っていました。つまり、地方であっても魅力的な価値はあるわけだから、その情報を集めて、都市に発信する広報さえできれば、何か経済的な価値を産み出すものになるのではと。

宮崎に来て3年、。お陰様で、僕のまわりには多くの中小企業や発明家の情報が集まったように思います。しかし、真に経済的な価値を産み出すに至っていない場合が多い・・。なぜか?その情報(知)のみでは、不十分であって、他の情報(知)とさらに結びつけて、価値を高める必要があるということに気が付きました。

現在、スマホや自動車は、知財がミックスされた商品と言われ、ひとつの製品でも、特許・デザイン・ブランド等いくつもの知がミックスされて初めて、商品の価値が消費者に伝わると言われています。

少しでも価値を産み出す可能性があるもののいくつかを、強制結合して、相乗的に価値を産み出していくことが大事ということでしょう。

聞くと、大牟田の商店街では、かつては、インターネットで商品を購入するから商店街に来る人が減ったため、ITに対する理解も殆どなかったようです。しかし、これからはITと一緒に商店街の活性化を図るべきということで、いわば、強制結合で、大牟田まちなかシリコンバレーも始まったと聞きました。現在、彼らが中心に洋風カツ丼による商店街の活性化がはじまっています。さらなる価値創出は、これからが面白くなってくるのではないかと期待しています。

この企画は、有明高専の先生と若手のIT起業家により実現されました。

何か新しく画期的なアイデアを出すには、そこにある”知”を強制結合して検証するということを何回も繰り返す程の情熱が必要であるということでしょう。僕も耳が痛いですが・・。

我々専門家は、強制結合ができるほどの情報(知)が集まっているのは確かではないでしょうか。

でもそれは、単に情報(知)があることに過ぎないのであって、この情報(知)同士のあらゆる組み合わせを、強制的に結合して、目的(商店街の活性化など)に適合するか検証するこを繰り返すことで、初めて、真に価値がある商品やサービス、アイデアを産み出すことができるのかもしれません。

大牟田は、現在、三池炭鉱を中心に、近代化産業遺産の登録を目指しています。観光による活性化も期待したいところですが、加えて、若者に働くことや、起業への夢を与えることも大切ではないでしょうか。大牟田まちなかシリコンバレーの今後の期待とともに、自分も少しでも協力していければと思います。