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宮崎の並木通りは、くすの木が最高です! |
「パリも、宮崎も、そんなに変わらないってことが、パリでわかったので、宮崎に帰ってきました。」
宮崎県の県庁は、昨年まで観光スポットとして超有名でした。しかし、今では、知事も変わり、すっかり通りのざわめきも落ち着いています。この県庁沿いにある、くすのきの並木道は、おそらく県で一番の美しい並木道。空が高い宮崎の日光を浴びた新緑は、表参道の通りに負けるはずがない。
並木道沿いに、ひっそりとある2階のカフェ。宮崎に来て、最初に入った喫茶店が、この喫茶店でした。
2階からは、直接、くすの木の緑が飛び込んできて、木漏れ日が日常を忘れさせます。
「この緑がある景色は、いつ飽きるかなって、思っていたんですけど、全然、あきないんですよね。」
手際が良い店長が一人で切り盛りしているお店は、カウンタ席が6席ほどの、こだわりの喫茶店。
アレルギー体質の人でも楽しめるランチやケーキを、無農薬で提供されています。
「日本は、特に添加物大国なんです。無農薬とか、添加物がない食事って、アレルギー体質の方だけでなく、普通の方にとっても、当然、良いものなのに、アレルギーとか健康に問題がある人ばかりが食べに来るのって、勿体無い気がするんですよね。」
確かにそうですよね。そもそも健康によい食事を、普通の人の通常の料理にすべきですよね。
特に、僕の場合、結構、いい感じ?に、お腹がポッコリ出ているのですが・・・・それって、食べたいと思う欲求が悪いと思っていましたが・・。
いやいや、食べたいと思う欲求は正常で、食事の中に入っている、保存料だの着色料によって、あなたのお腹は、膨らんでいるんですよ・・と考えれば、お腹いっぱい食べてもいいの?ということも考えられますよね。。ちょっと、都合がいい??
この店長さんが通う美容師さんが、なんと、パリコレに出たことがあるらしく(パリコレって、たぶん、パリコレクションだと思う)、かなり腕のあるヘアーリストさんのようで、彼のセリフが、冒頭のセリフです。
その方によると、「パリコレのキャリアがあれば、パリとか東京で派手な仕事をすることが出来るんだけど、パリとか東京に居る女性は、既に結構、いろいろ知っているから、ぼくが髪型とかのアドバイスする必要があまり無いんですよね。それよりも、情報がなくて、髪型をあまり知らない地元の女性にアドバイスできたほうが、僕の仕事としては、やり甲斐があると思ったんですよ。」
この考え方って、何の分野でもその道の専門家にとっては、大事な考え方かもしれませんよね。
例えば、東京で仕事をしていれば、「東京で〇〇の仕事やっているなんてー」と賞賛されることがあります。「えー、六本木で美容院やっているのー!すごーい。」みたいなリアクション。若干、失礼ですが、宮崎の橘通りで美容院やっているのとは地名のブランドが違います。つまり、サービスの所在地がブランドになって、質がいい!と思わせ、サービス提供者のやり甲斐にもなる・・。
しかしながら、彼の指摘によれば、既に、六本木の女性は、情報もたくさんあり、どうやったら自分が綺麗に見えるのか、ある程度知っていることが多いと。つまり、私、頬がちょっと大きいから、ここが少し隠れるように、口元まで髪を残してください・・みたいな、具体的な指摘があるのでしょう。この場合は、美容師は、その長さに髪を切りさえすればよく、結果として、きれいになるか否かは問われません。確かに、これだとやり甲斐としては、物足りないかも。
一方、宮崎にいて、どうやったら綺麗になれるか全くわからないけど、流行りの女性誌をもってきて、「私も蝦ちゃんみたいに綺麗にしてください!」と言ってくる宮崎の橘通りの女子高生を相手にする美容師さんは、髪型以外の知識も要求され、高度な技術が要求されますが、ヘアスタイリストの腕の見せ所とも言えます。その娘の良いところを引き出すにはどうしたら良いか考えて、ハサミを入れるのでしょう。
ここで、仮に、美の絶対的基準というものがあるならば、ひょっとしたら、六本木で髪を切ってもらった人と、宮崎で髪を切ってもらった人では、六本木で髪を切ってもらった人のほうが綺麗かもしれません。なぜなら、美に対する基本的なレベルがこの女性のほうが高いと考えられるからです。
しかし、このヘアスタイリストがその娘のために頑張って髪を切れば、六本木の女性よりも、宮崎の女性のほうが喜びは大きいでしょう。つまり、彼女は、全く自分では想像できなかった髪型を実現してもらうことで、六本木の女性よりも、綺麗になったという感じ方の差が大きいと思われるからです。
こういうヘアスタイリストさんは、きっと、彼女の青春にとって一生忘れられなくなるのでしょう。これは、専門家にとって、最高のサービスではないでしょうか?
つまり、専門家というのは、自分の技術で、その技術を施す前後での差で、仕事のやり甲斐を感じるのかもしれません。
「ドトールみたいなコーヒーでお願いします」
どんなコーヒーが良いか聞かれて、ちょっと返答に困って、店長に頼んでみる。
「ドトールのブレンドですか?アメリカンですか?」
すごいな。。味、覚えているの・・。
「あ、ブレンドで」
出てきたコーヒーは、ドトールのブレンド風の、さらに品の良い、コーヒーでした。
こういう驚きを顧客に感じさせる専門家が、本当の専門家なのかもしれません。
(写真は、新緑が眩しい喫茶店(vis a vis Cafe)からの景色。東京の方も、宮崎に来たときは、是非。)