2011年2月14日月曜日

大事なサービス

「ここのパンは、うまいから帰りに買って帰るといいよ。」


天気のよい昨日、築地の病院に入院している伯父さんを訪れました。
お台場、勝どき、晴海そして、千葉の山々が一望できる病院の景色は、前向きな会話を生み出すのが難しい難病の患者と、その家族にとっては、病気を回復させる一役をになっている気がしました。


伯父さんは、僕に浅草での酒の飲み方を教えてくれた大事な方でして、幸い、通常の食事ができるまで回復されていました。

ここは、病院内でパンを焼いているから、うまいんだよね、とのこと。

病院が出すご飯は、おいしい?と聞くと、患者さんに失礼になるぐらい、薄味で残念な場合が多いですよね。確かに、パンの食感を楽しむことは、美味しさを感じる大切な一つの要素ですから、薄味をカバーできるのかもしれません。

美味しいパンを、朝一番の食事として、患者さんが食べれることは、病気の回復に一役をになっているのかなと思います。帰りに、売店で美味しそうなパンが並んでいるのを見ました。

先日、医療経営に詳しい先生からお話を聞かせていただく機会がありました。

病院では、本来の業務である医療の収入に加えて、医業外収益というのがありまして、これが、結構、ばかにならないほどの収益になるということ。

医業外収益って、何だと思いますか?と、先生。

病院の売店などの売上なんです。

病院の売店は、本来の医業ではありませんが、場所がら、確実に病院の売上となりますね。ちょっとぐらい高い飲み物でも、その場所以外、つまり、病院に出て買いに行く気になれませんから、どうしても、同じ商品の提供でも、その場所のみでの提供が可能であり、高値で販売させることが可能です。


しかし、売上を伸ばすために、本来の医療よりも、医業外収益を増やすことは、本末転倒のおそれもありますね。例えば、売店のパンを買いに、行列ができていて、評判のパン屋さんになるとか・・。
それは、病院がおかしな方向に行ってしまうので、本来的には、病院は、自分たちにとって、一番大事なサービスを意識しつつ、美味しいパンを提供することで、患者の健康を補佐するサービスも付随的に大事だ、と考えることが大切なのでしょう。おそらく、この病院が、千葉の山々まで一望できる場所に建っているのも、健康を補佐する付随的なサービスの一つでしょう。

「時間潰すのが、やっぱり大変なんだよね。
帰りに、本の貸し出しボックスに、文庫があれば、持ってきてくれないか?」

と伯父さんに頼まれ、貸し出しボックスまで足を運ぶ。

残念ながら、文庫は、全て貸出中であった。

そのことを伯父さんに伝えると残念そう。


病院が、公共の図書館と連携したり、ブックオフのような中古本販売サービスも、健康の補佐サービスとして大事かもしれません。また、今、はやりの電子書籍端末を貸しだすというのも、年配の方がITサービスに対する新たな発見があり、元気になってもらえるかもしれませんね。

僕のおすすめ本を持って、次回、伯父さんを訪れようと思います。

(写真:ベランダの梅が、いい感じです。)

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