連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」では、水木しげるさんが、ついに、メジャーデビューを果たし、大手の出版社で、週刊連載することになりました。遅い46歳のメジャーデビューということです。
この大手の連載について、これまで、赤字経営の貸本雑誌出版社として、原稿を依頼していた編集長は、「メジャーデビューは、大変、喜ばしい。水木漫画は、もっと、子供達に読まれるべき・・。」との喜び。
これに対して、編集長の秘書は、
「このデビューで、水木先生は、原稿料の違いから、貸本漫画を書いてくれなくなる。今度、連載する「墓場の鬼太郎」は、水木先生がうちの雑誌で出していたのに、もっていかれてしまう。今まで、うちが育ててきたのに・・。社長、だからうちは、赤字経営なのですよ!」と指摘します。
いわゆる、出版権の問題です。
キャラクターそのものは、著作物にならないので、「鬼太郎」に著作物性は、ありません。
したがって、「墓場鬼太郎」のシリーズ、そのものを、貸本漫画出版社は、保護することができません。
一般的には、このような場合、出版社は、漫画家と、「他の出版社で、このシリーズの出版を行わない」という契約を行うことで、シリーズ物を他の出版社で出版させません。しかし、ドラマのような赤字の貸本漫画出版社では、そこまで、契約に力を入れていたとも考えにくい。
ドラマでは、そのような、ビジネス上のやりとりは、特になく、ただ、ただ、貸本雑誌出版社の編集長は、「メジャーデビューは、喜ばしいことだよ」として、水木しげるさんの成果を喜ぶ。
この社長は、ただの「おひとよし」でしょうか?
この編集長は、もともと漫画に対する情熱が高いため、漫画の編集長になったと思います。
そうだとしたら、自分が、まだ売れていないときに、才能をみこんだ漫画家が、世の中に才能を認められて、大きな漫画家になるとしたら、自身のビジネスを超えて、どんなに嬉しいことか、と思うでしょう。
先日、「お金だけをおっかける夢なんて、つまらん」という、お言葉を、とある経営者の方から頂きました。
「漫画を通して、人を育てる夢」があって、その一部に、ビジネスがある。というのが、編集長のポリシかもしれません。
まず、夢があって、道具としてのビジネス。
今の時代でも、できるのでしょうか?
見つけたいですね。
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