
巣鴨には、春がきていました。
一緒に弁理士を目指している大学院の後輩が、修士課程を卒業して、この春、大手メーカに就職。
しかも、知財部ということで、この厳しい時代にも、自分の希望どおりの就職が決められたのではと思います。
嬉しいです、よね。
先日、九州の大御所弁理士に、お会いしました。
弁理士会でも、実務的にもよく名前を聞く先生で、私自身も、緊張しながらの飲み会。
「今は、30代に、仕事があがられないんだよね。」
僕が、「これからの若い弁理士って、どうですか?」という質問をして、
最初の先生のセリフでした。
実際、リーマン・ショック以来、業界の仕事量は壊滅的に減少。
だけど、もう、それから1年以上経っているわけだし。
「全く、ないよ。あげられるものが。」
もう、何も答えが無いのでしょう。
僕の大学の後輩は、どうなるんだろう。
間にいる、僕らの責任かもしれない。
誰かが、この大御所弁理士に、新しい弁理士の未来像を提案しないと、弁理士の未来は変えられない。
特許事務所の従来からのビジネスモデルは、明細書作成による売上を根本としており、大御所の先生も、それ以外は、現状では、ビジネスとして成立しないと思われていると思う。
現状では、大きな特許事務所では、実際、そうなのかもしれない。
明細書作成は、法律文章の作成であり、かつ、技術にも精通していなくてはならず、非常に専門的な仕事だと思う。
職人が生き残るという意味で、明細書を作成する弁理士の社会的な役割は残ると思う。だけど、それだけだと、なんだか、国宝級の壺の職人とか、勲章とかもらう職人みたいな感じかと思います。
弁理士が、ビジネスの中心にいたい、というのが僕の考えです。
少子化+中国の驚異により、日本が、これからの30年間で戦えるのは、知財しかないと思うんです。他に、なにがあるか、僕には検討がつきません。
日本人のクリエイティブさを、今まで以上に創出して、国際的にも権利をきっちり守っていきましょうよ。
今、まさに、企業に密接した知財の創出と管理を、大企業はもちろん中小企業まで、ばっちり行って、企業の活性化と武装を図りましょうよ。
その旗振りを、弁理士が担うべきなのでは?
他に誰がやるのでしょう?
一年後には、「30代に仕事があげられない」ではなく、
「今、明細書作成をしていた30代の弁理士がペンを置いて、経営者とともに、企業の中心に働き始めました!」って、なりたいですよね。
この春、就職する大学の後輩を始め、知財に夢を持って働こうと思っている人達に、恥ずかしくないように、自分も小さな一歩を踏み出さなくては。